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人に人としての尊厳があるように、川にも川としての尊厳がある。人と川がお互いを尊重する関係とは?を考えています。
流れてこそ動脈
2008-03-20 Thu 11:36
湯沢発電所水圧鉄管
湯沢発電所080319

直径1m強ある鉄管2本がサージタンクから降りている。管の厚みは1cm内外。この落差を一気に落ちる位置エネルギーが水車を回して発電機に伝えられる。
見学に行ったとき鉄管に触れてみたら、手のひらに水の振動が伝わった。「ああ、清津川の水が流れてるんだな・・」と。発電所の動脈部分だから生きている感じなのだ。

この写真、オカシイでしょ?何がって・・・
だって、眠ってるんですよ。動脈が・・・

清津川発電所水圧鉄管
清津川発電所080319

同じ日に撮った清津川発電所の水圧鉄管。ここのほうが標高が300mくらい高いし、積雪も多い。
なのに、鉄管が露出してるんです。これは、動脈が生きてるから。管の中を水が走るからこうなるんだと思う。

湯沢発電所が停止して1ヶ月以上、まだしばらくは止まっているらしい。測量にしては時間がかかってるネ。また壊れたのかなぁ・・・ほぼ1世紀前の施設だから、修理するっていっても部品がないだろうなぁ・・・どこかの博物館に展示してあるパーツを使うんだろうか・・・地震で塑性変形が疑われる原子炉でも再開に取り組んでる東電だから、なおして使う精神は見上げた物です。

さて、上の写真をもう少しひいてみると、
清津川発電所080319B

こうなってる。写真下の川が清津川本流で、それを横切ってるのは三俣堰ではなくって、清津川発電所の放水路。発電し終わった水は、川に戻らず、川の下を横断して手前(右岸)にトンネルでわたして湯沢発電所の沈砂池に直結してある。こういう工法を「伏せ越し」というんだけど、現在の河川管理施設等構造令ではこのように河床より高くなってるものは認められていない。増水時に水流が変化して危険だし、平水時も生き物にとって横断構造物のように上下流の行き来に障害になるから。今は雪解け水が多い時だけど、普段はここでの流量は二居ダムの維持流量0.3m3/sと残流域の少しだけだから、この伏せ越し部分は丸出しになって薄い水が僅かに溢れているだけで、堰堤のようになってる。すぐ下の三俣堰堤と2ヶ所で川は堰き止っている。鉄管やトンネルを流れる水は出来る限り、川という動脈に戻すべきだ。

30年に一回の水利権の更新は、その権利が現状と見合っているかどうかを見直すためにある。施設の構造もあるべき川の姿に合わせて見直して欲しい。
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