FC2ブログ
人に人としての尊厳があるように、川にも川としての尊厳がある。人と川がお互いを尊重する関係とは?を考えています。
スポンサーサイト
-------- -- --:--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
別窓 | スポンサー広告 | top↑
水力発電よもやま話
2015-05-04 Mon 07:49
第3話 川が凍える

自然現象は謙虚に注意深く観察しないといけない。年寄りの言葉で「なでがついて」と言うのはたいてい全層雪崩を意味していて、「ワヤが出て」は表層雪崩だ。同じ雪崩でも区別していたのは、対処法が違うからで、なでは雪の重みを注意し、ワヤは窒息の危険を注意する。昔の人は自然現象がさまざまな形態で起ることを知っていて軽視していなかった。何もかも科学や数字で片付ける今の人は、自然を一面的にしか見ていないのではないだろうか。
この冬の雪は12月からドカンと降った。中旬は気温が低く、サラサラの雪で、急斜面に積もりきれない雪が、狭い峡谷の両岸からグラニュー糖のように絶え間なく川に注ぎ込んだ。水量が少ないので川は写真のような流動食状態になった。

スノージャム


スノージャムというらしい。水が多く広い川ではこんなことは起らないし、気温が高い時の雪ではこうならない。豪雪地の峡谷を流れ、発電取水で減水が激しい川で、低温時に起きやすい現象だ。写真は12月18日の清津川のもので、川の半分くらいが白くなることはよくあるが、全体がジャム化するのは珍しい。見る見るうちに、流れのゆるいところではジャム状の雪が詰まり始めていた。この時に中津川上流の雑魚川でも同じことが起っていた。雑魚川は上流で東電切明発電所が殆どの水を取水して減水し、更に下流から中津川第一発電所のために追加取水する仕組みだ。川にとっては、極寒の中、上着だけでなく肌着まではぎ取られるような取水方法で、凍えてジャム化するのも無理はない。自らの取水で川がどうなっているかも観察せず、お構いなしに取り込むのは水利権者の欲で、謙虚さの微塵もない。取り込んだスノージャムで導水路が詰まり、溢れた水が土砂崩れを誘発、国道が埋まって奥の集落が孤立した。水力発電では、導水路にゴミや異物が入ることは致命的で、それを避けるために取水口には柵がある。ここを通った水は一旦沈砂池に入り、そこから溢れた上水だけを導水路に引く構造になっている。東電の説明では、切明発電所の作業のために、沈砂池を使わず迂回させて、柵のないルートで導水したらしい。妻有人なら流れのゆるい流雪溝に大量に雪を入れると、詰まって溢れることくらい誰でも知っている。ジャム化したら水力発電には不向きだから直ちに取水を停止するしかない。発電のプロらしくない素人くさい事故だなと呆れていると、また一か月もたたないうちに自然を甘く見ていたと思わせる事故が起った。湯沢発電所屋根崩落事故だ。
(妻有新聞 5月1日掲載)
別窓 | 水力発電よもやま話 | コメント:0 | トラックバック:0 | top↑
<<減少 | 水神様の使いっ走り…みずがみさまのつかいっぱしり… | 雪エネ>>
この記事のコメント
top↑
コメントの投稿
 

管理者だけに閲覧
 

この記事のトラックバック
top↑
| 水神様の使いっ走り…みずがみさまのつかいっぱしり… |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。