2010-01-23 Sat 22:45
昭和37年の高瀬川行政命令取り消し請求事件の判例から・・・
判決要旨 公水使用権は、それが慣行によるものであると行政の許可によるものであるとを問わず、公共用物たる公水の上に存する権利であることにかんがみ、河川の全水量を独占排他的に利用しうる絶対不可侵の権利ではなく、使用目的を充たすに必要な限度の流水を使用しうる権利に過ぎないものと解することを相当とする。 昭和43年の大分県の水利妨害排除仮処分命令申請事件の判例から・・・ 判決要旨 一般に公水に対する使用権が行政処分で設定されるからと言って、これをただちに公権とすることはできない。漁業権や鉱業権は行政処分で設定されるが、私権であることに問題はない。公水に対する使用権が使用権者の私的な経済的利益を充たすためのものである限り、それは私権としての性質をもつ水利権と解することが相当である。 水利権は、所有権のような流水に対する抽象的包括的な支配権ではなく、一定の水量を特定の目的のために使用する内容を持つ(すなわち具体的内容を持つ)支配権である。水利権は水量の点から制限されるのは勿論、使用目的の点からも制限され、灌漑用、雑用、工業用等の具体的な各使用目的に応じて個々別々の権利として成立する。 したがって、ある使用目的の水利権は、その使用目的の消滅によって消滅し、他の使用目的の別個の水利権に当然に転換することはなく、別個の水利権として成立するためには、新たに所轄行政庁の許可によって、その使用目的の水利権の設定を受けなければならないと解すべきである。 水利権の性質って分かりにくいんだけど、判例を読んでいるとつかみどころがわかるでしょ? 「私権の目的とならない」と法では書いているけど私権としての性質を持っている。・・・これが不完全な(条件付きの)私権。 スポンサーサイト
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