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人に人としての尊厳があるように、川にも川としての尊厳がある。人と川がお互いを尊重する関係とは?を考えています。
潜在力が伸びない
2008-02-05 Tue 19:56
朝日新聞では「壊れた原発の下で  中越沖地震から半年」という連載をしている。その17話に十日町市のことが書いてある。

(17)公園とリゾート(2008年02月04日掲載)

●開発・運営 東電頼み

 柏崎市の中心部から車で約30分の距離に、豊かな緑に囲まれた「柏崎・夢の森公園」はある。

 約30ヘクタールの敷地には、森や池、農園、植物園などが点在し、植物や小動物の生態を身近に学べる環境学習の場になっている。事務所長の横田雅典(51)は「全部歩くと半日コースです」。07年6月の開園以来、約6万2千人が訪れた。

 同公園は07年5月、柏崎刈羽原発の全号機完成記念として、東京電力から寄付された。寄付総額は60億円。市はその中から18億円の基金を設立し、毎年基金を取り崩すことで年約7500万円の維持運営費を支出することにしている。

 基金は約30年で底をつく計算だ。その後も運営を続けるとすれば、維持運営費(推定年
約5700万円)が市財政に重くのしかかる。市財政課係長の猪俣哲夫(49)は「30年が近くなった時点で、東電も交えて話し合いたい」。

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 東電に「依存」しているのは原発の立地地域だけではない。

 柏崎刈羽原発から南東に約40キロ。十日町市は、東電にとって「生命線」の自治体の一つだ。

 原発で作られた電力の送電ルートの一部は、十日町市を通って首都圏に抜ける。巨大な鉄塔群と送電線が張り巡らされたこの一帯を、地元ジャーナリストの森本忠彦(56)は「送電線銀座」と表現した。

 この市もまた、東電の恩恵を受けてきた。複数の送電線が絞り込まれる地点付近に、ホテルや結婚式場、18ホールのゴルフ場を有する高級リゾート「当間高原リゾート・ベルナティオ」はある。総面積約500ヘクタール、開発費約425億円を費やして96年に開業したこの一大リゾートは、東電やゼネコンの鹿島、市、県などが出資する第三セクターが運営し、東電幹部や市長らが役員に名を連ねてきた。

 市の調査では、06年度に市内に宿泊した観光客約25万5千人のうち、同リゾートへの宿泊客は約3分の1の約9万6千人。同リゾート総務部長の久保田正直(55)は「そのうち3万人弱が東電社員や家族」と話している。

 波及効果も大きい。06年度の市税固定資産税、入湯税、法人住民税に加え、県税のゴルフ場利用税の交付金など、直接の「実入り」だけで約1億円。食材などの地元からの物資調達が
約5億円。約120人の地元雇用も生み出している。

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 同リゾートの建設話が持ち上がったのは、バブル全盛の80年代後半。地元関係者は「電源三法交付金の対象外だった十日町市に、何とか原発の金を落とせないかと市長や代議士らが考えた結果だった」と証言する。

 リゾートの多くはバブル崩壊後に赤字転落を余儀なくされた。同リゾートは途中、テーマパーク構想などを断念し、規模縮小で経営の効率化を図ったが、市観光交流課課長補佐の春日潤一(54)は「三セクによるリゾート経営がこれだけしっかりしているのは、東電クラスの企業の幹部が役員にがっちり入っていたのが大きかった」。

 昨年8月末、ある「変化」がみられた。三セクの臨時取締役会で大幅な増資が必要となり、引き受けの筆頭に東電が名乗り出たのだ。東電の出資比率は39%から80%に跳ね上がり、三セクの社長に東電出身の倉田守康(53)が就任した。

 東電広報は言う。

 「リゾートがなくなると地域への影響も大きい。地元の要望もあり、開業10年を機にさらに協力させていただこうと考えた」

 東電の貢献は今、公園やリゾートといったハード面にとどまらず、「教育」というソフト面にも及んでいる。〈敬称略〉


ベルナティオは玉川の開拓地に造られた。リゾートの中心にある池は本来農業用の貯水池で、清津川の水が湯沢発電所の勝手な増設で減らなければ、この池の規模はもっと大きかったと言われている。現在、魚野川に導水されている清津川の水は、本来、十日町市の開墾に利用する計画があったのだ。東電が造ったリゾートは、東電が奪い取った水のせいで開墾しきれなかった耕地に建っている。電力会社が地方に及ぼす影響は大きい。奪うもの・与えるもの双方の利害が、育つべき地域の潜在力を押しつぶすことがある。

柏崎刈羽でも、震災の前から、東電一辺倒の産業構造の危うさが指摘されていた。

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